シェルビー・アメリカン・ヘリテージ・センター訪問記
フォトギャラリーですでにご覧になった方もいるかもしれないが、リアムと私は最近、シェルビー・アメリカンの本社を訪問した。場所はネバダ州ラスベガス(ルーレットで一山当てて新車のマスタングの購入費用に充てたいという激しい衝動に駆られた)! その前の週に、マット・デイモンとクリスチャン・ベール出演のキャロル・シェルビーの伝記映画を見たばかりだったから、この旅は私にとって、よりいっそうタイムリーなものに感じられた。『フォードvsフェラーリ(Ford vs Ferrari)』というタイトルで(国によっては 『Le Mans ’66』というタイトルのところも)、私が思うに、先見の明を持つ男、キャロル・シェルビーと、偉大なエンジニアでありドライバーであったケン・マイルズの人となりに迫った映画だ。
リアムと私、史上最も高価なマスタングを前に
シェルビー・コブラのバッジには、アニバーサリー・モデルの日付がはっきりと銘打ってある
アルミニウムボディのシェルビー・コブラ継続生産モデル
シェルビ-・アメリカンは、かの有名なデイトナクーペCSX9000の継続生産シリーズを販売している。開発当時を再現したリーフスプリング式のサスペンション、チューブ式のシャーシフレームを採用し、価格は35万ドルから。高価に思えるかもしれないが、オリジナルの6台の価格に比べたら、大したことはない。まあ、ただ金があれば手に入れられるという代物でもないが! より廉価(!)なモデルをお探しなら、ファイバーグラスバージョンもある。17万9,000ドルで、レーサーには必要のないエアコンや、運転席、助手席のスペースがより広いという贅沢を楽しめる現代的なバージョンだ。
アルミニウムボディのデイトナ継続生産モデルは35万ドルから!
また、オリジナルのメタリックブルーの1967シェルビー・マスタングGT500も展示されていた。1967シェルビー・マスタングGT500とスーパー・スネークを比較してみるのも興味深い。ただし、このブルーのマスタングのボンネットは、時を経て改造されており、オリジナルのスペックとは異なる。
ボディワークに若干の改造が加えられた1967シェルビー・マスタング GT500
ボンネット内部では、さらに大きな違いが見てとれる。下の2枚の写真は、スーパー・スネークのオリジナルのエンジンに代わり、ル・マン24時間レースで優勝したフォードGT MkIIで使われたフォード製ビッグブロックFE 427エンジンが搭載されていることを示している。私たちがボンネットを開けて、驚異的なマシンの原動力ともいえるエンジニアリングの妙を垣間見せると、同じくその場にいたマスタングファンの注目が集まった。
マスタングGT500の標準的なフォード製エンジン
ル・マン24時間レースで優勝したフォードGT MkIIにも搭載されていたフォード製ビッグブロックFE 427エンジン
見れば見るほど、それぞれのマシンの個性が分かってくる。ヘッドライトの位置、スーパー・スネークの車内だけに備わっている特別仕様の消火器など。他の一見分かりにくい、だが大きな違いは、塗装にある。スーパー・スネークはボディを縦に貫く青いストライプが3本あるのに対し、「標準的な」GT500とGT350は、ストライプは2本だけになっている。
よく観察すると、標準的なGT500との相違点が多く見つかる