シェルビー・アメリカン・ヘリテージ・センター訪問記

フォトギャラリーですでにご覧になった方もいるかもしれないが、リアムと私は最近、シェルビー・アメリカンの本社を訪問した。場所はネバダ州ラスベガス(ルーレットで一山当てて新車のマスタングの購入費用に充てたいという激しい衝動に駆られた)! その前の週に、マット・デイモンとクリスチャン・ベール出演のキャロル・シェルビーの伝記映画を見たばかりだったから、この旅は私にとって、よりいっそうタイムリーなものに感じられた。『フォードvsフェラーリ(Ford vs Ferrari)』というタイトルで(国によっては 『Le Mans ’66』というタイトルのところも)、私が思うに、先見の明を持つ男、キャロル・シェルビーと、偉大なエンジニアでありドライバーであったケン・マイルズの人となりに迫った映画だ。

リアムと私、史上最も高価なマスタングを前に

シェルビー・ヘリテージ・センターとシェルビー・アメリカン本社は、ラスベガスの端に位置する空港からほど近いところにあり、幸運なことに、ミーティングの時間までショーに展示されている自動車を眺めることができた。もちろん、一番の目玉はスーパー・スネークで、入口近くの台座に鎮座していた。背景には、キャロル・シェルビーの写真。2019年末にはスーパー・スネークは新しいオーナーのもとに旅立つと聞いていたので、間近に実物を拝めたのは役得だった(実際、柵を超えて本当に間近で公式の写真を撮った)。

複数バージョンのシェルビー・コブラのオリジナルと継続生産のアニバーサリー・モデルが展示されていた。バッジは無料で配られていて、どのモデルのものか、分かるようになっていた。

コブラという車は美しく、どれか一台に飛び乗り、そのままドライブに出かけたい衝動に駆られる(事実、すべての車で、キーがイグニションに刺さったまま……ドアさえ開けば)。二人で「家までドライブするならどの車」ゲームをして遊び、スーパー・スネークを除いて、晴れた午後に街中を気楽に流す夢の車としては、間違いなくコブラだという結論に達した。

エンジンがかかっていたら、うかつに手を触れられない!

シェルビー・コブラのバッジには、アニバーサリー・モデルの日付がはっきりと銘打ってある

アルミニウムボディのシェルビー・コブラ継続生産モデル

シェルビ-・アメリカンは、かの有名なデイトナクーペCSX9000の継続生産シリーズを販売している。開発当時を再現したリーフスプリング式のサスペンション、チューブ式のシャーシフレームを採用し、価格は35万ドルから。高価に思えるかもしれないが、オリジナルの6台の価格に比べたら、大したことはない。まあ、ただ金があれば手に入れられるという代物でもないが! より廉価(!)なモデルをお探しなら、ファイバーグラスバージョンもある。17万9,000ドルで、レーサーには必要のないエアコンや、運転席、助手席のスペースがより広いという贅沢を楽しめる現代的なバージョンだ。

アルミニウムボディのデイトナ継続生産モデルは35万ドルから!

また、オリジナルのメタリックブルーの1967シェルビー・マスタングGT500も展示されていた。1967シェルビー・マスタングGT500とスーパー・スネークを比較してみるのも興味深い。ただし、このブルーのマスタングのボンネットは、時を経て改造されており、オリジナルのスペックとは異なる。

ボディワークに若干の改造が加えられた1967シェルビー・マスタング GT500

ボンネット内部では、さらに大きな違いが見てとれる。下の2枚の写真は、スーパー・スネークのオリジナルのエンジンに代わり、ル・マン24時間レースで優勝したフォードGT MkIIで使われたフォード製ビッグブロックFE 427エンジンが搭載されていることを示している。私たちがボンネットを開けて、驚異的なマシンの原動力ともいえるエンジニアリングの妙を垣間見せると、同じくその場にいたマスタングファンの注目が集まった。

マスタングGT500の標準的なフォード製エンジン

ル・マン24時間レースで優勝したフォードGT MkIIにも搭載されていたフォード製ビッグブロックFE 427エンジン

見れば見るほど、それぞれのマシンの個性が分かってくる。ヘッドライトの位置、スーパー・スネークの車内だけに備わっている特別仕様の消火器など。他の一見分かりにくい、だが大きな違いは、塗装にある。スーパー・スネークはボディを縦に貫く青いストライプが3本あるのに対し、「標準的な」GT500とGT350は、ストライプは2本だけになっている。

よく観察すると、標準的なGT500との相違点が多く見つかる

スーパー・スネークは、中央のヘッドライトをグリル両脇に移動した初めてのマスタングで、これは純粋に、フロントグリルから入りラジエーターとエンジンルームへ送り込まれる空気の量を増やし、より高速での冷却を可能にするためだった(当時としては、世界最速の公道走行可能な車だったということを思い返せば、納得)。それ以来、後続のマスタングもこの技術仕様を採用し、ヘッドライトがサイドに取り付けられるようになった。私には、これは技術的というだけでなく、審美的にも優れた改良のように思える。

ラスベガスに行ったならば、ぜひシェルビー・ヘリテージ・センターに足を運ぶことをお勧めする(交通費はUberの配車で14ドルほどだった)。少なくとも、おみやげにTシャツを入手できる!

「標準的な」1967シェルビー・マスタングGT500

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